私の身体年齢は一体いくつだ。
木曜に重労働をしてから、全身が筋肉痛でたまりません。
とくにあばらの下の筋肉と、左足のアキレス腱が痛いです。
歩くのに一苦労・起き上がるのに一苦労。
しかも翌日に筋肉痛が今更きて、なんだか死にそうな勢いです。
…はあ。
以下
アニメ見てうっかりはまった「もやしもん/蛍直」です。
とくにあばらの下の筋肉と、左足のアキレス腱が痛いです。
歩くのに一苦労・起き上がるのに一苦労。
しかも翌日に筋肉痛が今更きて、なんだか死にそうな勢いです。
…はあ。
以下
アニメ見てうっかりはまった「もやしもん/蛍直」です。
ふわふわした上等なレースをあしらった豪奢なヘッドドレスが、かろうじて視界の上に見える。
長く艶やかな黒髪に黒の重たいパニエという組み合わせは、着る人をかなり限定するだろうに(服に頓着のない自分でもそれくらいわかる)、目の前にいる人間はむしろ厳かですらある雰囲気をまとって圧倒してくる。その重圧に気圧されながらも、なんとなく近寄りがたいとは思わないのは、恐らくこの人物の人となりを幼い頃から自分なりの目で見て知っているからだろう。
薄汚れた農大のツナギの上からすら質量の感じるスカートを膝で触りながら、沢木はぼんやり考えた。
そこまで考えて、それから先のことを考えることに抵抗した。その先を、考えたくなかったのだ。
とどのつまり、膝小僧にスカートの裾が掠めるくらい接近しているという事実を、改めて認識したくなかった。
「…んぶ」
変な声が出た。なんか変な声でた。
鼻がかった自らの声に絶望して、沢木はまたまた意識を逃避させにかかった。
だって、なんだって、口と口をくっつけて何がしたいんだろう、こいつも、自分も。
遠くで鳥のさえずりを聞きながら、そういえばここは自分の部屋だと思い至る。周りをぷよぷよ飛んでいる菌がうるさい。
『ただやすー』
『いつまでそうやってんだただやす』
『まえもやってたぞ』
『ただやすー』
うるさい。
自分しか聞こえなくとも、しかし自分だけでも認識できるからこそ、周りのデリカシーなさすぎるゆえに何の装飾もオブラートもなく沢木が逃避したがっている現実を直に伝えてくる菌どもの声は煩わしかった。いや、この場合は、羞恥の方が勝っているのか。
何でもいいから早く、くち、放してくれないかなあ。
手入れなんか必要を感じないから、乾いてひび割れている沢木の唇にいつまでくっついているつもりなのだろう。あまり気分がよくないから意地でも口を開かないが、時折開口を促すようにゆっくり過ぎる艶かしく生暖かく生々しい舌に背筋がぞわぞわする。
ほんと、何がしたいのかなあ、こいつ。
唇で感じるのは、黒いルージュで厚ぼったくなった唇の、低くも高くもない温度。これは自分の体温と解けあっているからだろうか。あまり嬉しくない。
目の前の、長すぎる睫を数えるのも飽きて、でも体重の寄りかかった掌に手は押さえつけられていて、逃避したって背筋がぞわぞわして、漂っている菌に目を彷徨わせることにする。
『きれいだなー』
『でもなかみはけいだぞ』
『じょそうっていうんだぞ』
…駄目だった。
菌の好き勝手している会話に耳を傾けていると、否が応でも目の前にいる一見美少女な子が幼馴染の野郎だと思い知らされる。
彼、蛍にキスをされるのは二度目だった。
一度目は日吉酒屋の前で、及川が目撃しているとき。あの頃はちょっと可愛いなと思っていた子が、音信不通になって休学までしていた幼馴染だということに二割ほど頭がついてきていない間に、肩に手を添えられてキッス!更に混乱して、声を荒げることも顔の表情筋を大して動かすこともなく、あまり驚いてないねと言われたくらいに無反応だったような気がする。差はあれど人がイレギュラーに弱いという、良い事例だった。
「ん、は」
「沢木ってばどうしてこんな無反応かなー」
「いや、平気で男にキスできるお前の方が問題あると思うよ俺」
ようやく放され、口元をこする。黒い蛍のルージュが尾を引いて手の甲に張り付いた。男として、いろいろな尊厳を落としているように思えて涙が出そう。
視覚的には見目麗しい女の子にキスされる状況は男として嬉しくないこともないが、あくまで生物学上で蛍は男だ。小さい頃に何度もついている一物を拝見する機会があった。まさか去勢した、なんてことはあるまい。昔から蛍はその女顔を指摘されることをひどく厭わしがっていた。それが女装に目覚めた紆余曲折は、あまり蛍の口から多くを語られないのだが、今でも彼は男としての誇りとやらを見失っていないようだ(だからこそ、よけいにわからないのだけれど)。
「別にいいじゃん、キスくらい。沢木は及川さんみたいに偏見があるわけじゃないでしょ?」
その及川は、その少し後に長谷川にキスされて無理やり納得(というより矯正)させられていたのだが。
及川ほど潔癖症というわけではないが、偏見がないわけじゃない。男が女装するのには別にそんなもの持っていないが、キスは普通に女の子としたい。やってしまったのでもういいや、というくらいには、沢木は諦めは早かっただけの話である。
「で、今度はなんだよ。前にした理由もわかんねーけどさ」
「理由?ないよ。僕がしたかっただけ」
「あ、そ」
それはそれで問題な気もするが、騒ぐ菌に目の前の女装がはまりすぎている幼馴染というだけで、沢木のお粗末な脳みそは許容範囲を超えていた。
***
蛍→直保ていう図が大好きです。
ヒオチに対して性格が変わる蛍と、菌が見えることでなんだか変な悟りを開いちゃった直保が好きなんです(曲解)
長く艶やかな黒髪に黒の重たいパニエという組み合わせは、着る人をかなり限定するだろうに(服に頓着のない自分でもそれくらいわかる)、目の前にいる人間はむしろ厳かですらある雰囲気をまとって圧倒してくる。その重圧に気圧されながらも、なんとなく近寄りがたいとは思わないのは、恐らくこの人物の人となりを幼い頃から自分なりの目で見て知っているからだろう。
薄汚れた農大のツナギの上からすら質量の感じるスカートを膝で触りながら、沢木はぼんやり考えた。
そこまで考えて、それから先のことを考えることに抵抗した。その先を、考えたくなかったのだ。
とどのつまり、膝小僧にスカートの裾が掠めるくらい接近しているという事実を、改めて認識したくなかった。
「…んぶ」
変な声が出た。なんか変な声でた。
鼻がかった自らの声に絶望して、沢木はまたまた意識を逃避させにかかった。
だって、なんだって、口と口をくっつけて何がしたいんだろう、こいつも、自分も。
遠くで鳥のさえずりを聞きながら、そういえばここは自分の部屋だと思い至る。周りをぷよぷよ飛んでいる菌がうるさい。
『ただやすー』
『いつまでそうやってんだただやす』
『まえもやってたぞ』
『ただやすー』
うるさい。
自分しか聞こえなくとも、しかし自分だけでも認識できるからこそ、周りのデリカシーなさすぎるゆえに何の装飾もオブラートもなく沢木が逃避したがっている現実を直に伝えてくる菌どもの声は煩わしかった。いや、この場合は、羞恥の方が勝っているのか。
何でもいいから早く、くち、放してくれないかなあ。
手入れなんか必要を感じないから、乾いてひび割れている沢木の唇にいつまでくっついているつもりなのだろう。あまり気分がよくないから意地でも口を開かないが、時折開口を促すようにゆっくり過ぎる艶かしく生暖かく生々しい舌に背筋がぞわぞわする。
ほんと、何がしたいのかなあ、こいつ。
唇で感じるのは、黒いルージュで厚ぼったくなった唇の、低くも高くもない温度。これは自分の体温と解けあっているからだろうか。あまり嬉しくない。
目の前の、長すぎる睫を数えるのも飽きて、でも体重の寄りかかった掌に手は押さえつけられていて、逃避したって背筋がぞわぞわして、漂っている菌に目を彷徨わせることにする。
『きれいだなー』
『でもなかみはけいだぞ』
『じょそうっていうんだぞ』
…駄目だった。
菌の好き勝手している会話に耳を傾けていると、否が応でも目の前にいる一見美少女な子が幼馴染の野郎だと思い知らされる。
彼、蛍にキスをされるのは二度目だった。
一度目は日吉酒屋の前で、及川が目撃しているとき。あの頃はちょっと可愛いなと思っていた子が、音信不通になって休学までしていた幼馴染だということに二割ほど頭がついてきていない間に、肩に手を添えられてキッス!更に混乱して、声を荒げることも顔の表情筋を大して動かすこともなく、あまり驚いてないねと言われたくらいに無反応だったような気がする。差はあれど人がイレギュラーに弱いという、良い事例だった。
「ん、は」
「沢木ってばどうしてこんな無反応かなー」
「いや、平気で男にキスできるお前の方が問題あると思うよ俺」
ようやく放され、口元をこする。黒い蛍のルージュが尾を引いて手の甲に張り付いた。男として、いろいろな尊厳を落としているように思えて涙が出そう。
視覚的には見目麗しい女の子にキスされる状況は男として嬉しくないこともないが、あくまで生物学上で蛍は男だ。小さい頃に何度もついている一物を拝見する機会があった。まさか去勢した、なんてことはあるまい。昔から蛍はその女顔を指摘されることをひどく厭わしがっていた。それが女装に目覚めた紆余曲折は、あまり蛍の口から多くを語られないのだが、今でも彼は男としての誇りとやらを見失っていないようだ(だからこそ、よけいにわからないのだけれど)。
「別にいいじゃん、キスくらい。沢木は及川さんみたいに偏見があるわけじゃないでしょ?」
その及川は、その少し後に長谷川にキスされて無理やり納得(というより矯正)させられていたのだが。
及川ほど潔癖症というわけではないが、偏見がないわけじゃない。男が女装するのには別にそんなもの持っていないが、キスは普通に女の子としたい。やってしまったのでもういいや、というくらいには、沢木は諦めは早かっただけの話である。
「で、今度はなんだよ。前にした理由もわかんねーけどさ」
「理由?ないよ。僕がしたかっただけ」
「あ、そ」
それはそれで問題な気もするが、騒ぐ菌に目の前の女装がはまりすぎている幼馴染というだけで、沢木のお粗末な脳みそは許容範囲を超えていた。
***
蛍→直保ていう図が大好きです。
ヒオチに対して性格が変わる蛍と、菌が見えることでなんだか変な悟りを開いちゃった直保が好きなんです(曲解)
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