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一時停止で逃亡、melancholyの輪廻

某方からの設定頂戴の上。
せっかくいただいた設定を生かしきれてないというか。

初秋、風は冷め始めているが空気は飽くまで暖色で、直射日光の下、座り続けるのは苛烈を極
めた。俺こと英秀が一番後ろの席に振り宛てられたにも関わらず、喜べない要因の第一がこれ
だ。暦の上では晩夏も疾うに過ぎたというのに、太陽は隠居しない。涼しげな風が吹き抜くの
を身近に感じたい欲求と直射日光の洗礼から避けたい嫌悪の板挟み。これぞ二律背反、身を以
って思い知るとは、また俺のくだらない語学スキルが上がったが、残念ながら俺は理系だ。ち
くしょう。太陽なんてくそくらえ。 ろくに食べずにダイエットを歌う口でお菓子ばかりを食う女の漂わせる静汗材の臭いが、長い
目で見ればただのコンクリの箱である教室で混ざり合う。エイトフォー、BAN、なんだこり
ゃ、男物の香水までもが甘い臭いしてやがる。吐気が込み上げる。長くも美しくもない、享楽
に耽った指で光る小さい爪がとても忌々しい。ああもう!何だってこんな苛つくんだ学校って
やつはよ!いや、学校は悪くない。悪いのは十メートル四方の教室に大人数を押し込める教育
委員会だ(支離滅裂)。 とにかく俺は物事を否定することを得意とし、得手とし、そして短所とする。ひねくれた青年
期だっていう奴、生憎俺は人間論や現代社会で嘆かれているモラトリアム野郎ではない。生ま
れながらの否定大好き人間だ。そして対象は自他隔てないから始末に終えないが、実害がない
から厄介事として周囲から扱われない。唯一の幸いである。他人にまで人格を否定されてしま
ったら最早社会的に人間として破綻していただろう。…今も破綻していないとは言えないけれ
ど。 俺の座右の銘は「勝てば官軍」である。勝った者が正義。つまり初めは誰しもグレーゾーンと
いうことを示唆するその言葉が好きだ。どこぞの、カップラーメンが作れる間に光線やら何や
らを出す怪人を倒すという、ストーリー性からして終わっているヒーローは無条件に無垢なち
びっこから慕われているが、怪人よりあれが出す被害の方が甚大だ(しかしあれが壊していっ
た建物の中に人はいなかったのだろうか?賠償請求だとかは誰が負うのだろう?)。所詮放送
されている戦隊ものは前後不覚な子供を品行方正とまではいかなくとも、社会で使える人間に
仕立て上げようとするマインドコントロールが染み出ている。打算計算にまみれたヒーローな
んて英雄として俺は認めない。ヒーローは無償でなんぼだ。 まあつまり、正義イコール問答無用の勝利ではなく、勝利イコール大衆から得られる正義とい
う称号という認識の方が俺は好ましいということだ(「という」乱発乱用)。 こんな感じで俺は周囲を否定する。それを踏まえて不快にならないようなら読み進めてくれ。
嗚呼、もう既に授業の終わりが見え始めているじゃないか。





*
*


*
*
*
* 端的に示すと俺は困っていた。今朝家に投函された封書、宛先だけで送り主の名前すら書かれ
ていない、失礼な封書の扱いに、非常に困っていた。 * 最近退屈なさっているあなた 正義という言葉を嫌うあなた そんなあなたにこそ知って欲しい、素敵なバイトを紹介します。 「秘密結社カルナバル」 詳細説明は電話及び口頭にて。 試験採用、面接等あり。 0000-1111-… G市N町… (有)新川運輸 * なんか、こう、全体的に駄目な気がする。「秘密結社」の前に「悪の」がつきそうな辺り。 俺は白い皿に乗った食パン(つまり朝食)の横に封書を並べて沈思した。これは一体どうすべ
きだろう。こんなあからさまに怪しいものが何故家に送られてきたのだろう。大体、これを送
ってきた奴の意図がわからない。なんだ秘密結社って。怪しさを露呈する愚昧だ。ていうか、
これを送ってきた時点で秘密結社が秘密じゃなくなったぞ。 とは言え、この住所は遺憾ながらも本当に存在する。G市はこの家を含め、そこそこ広い市街
地区で、ちなみにN町も隣にある。近い。…こんな怪しい会社が隣近所にあるなんて嫌すぎる
。なんだ新川運輸って。秘密結社じゃなかったのかよ。しかも有権会社ってところがまたリア
ルで生々しい。 「さて、学校に行こうか」 秘密結社だろうが公開結社だろうが、少なくともあんな怪しい封書よりは教室に蔓延る不自然
なまでの異臭の方が俺にとっては現実的で建設的だったからだ。 「おはようひでひで宿題やってきた?数学の宿題やってきたならその気まぐれな優しさの欠片
程度を僕に恵んで下さる奇跡が起きない?」 「矢指…奇跡だって断定する辺りで俺の援助を受ける気なんてないだろ。俺は勝手につけられ
た本名にかすりもしないあだ名に反応するほど当たり障りが良いってわけじゃねぇ」 「だって英も秀もひでって読むだろ。大体はなぶさしゅうって何、ひねくれた名前つけちゃっ
てさ、明らかな悪意が込もってるよね。主にこの子は姓名一貫した名前でいじめられるように
って願う母親の」 「お前の悪意の前じゃ形無しだよ。つか人の母親の悪意を勝手に確定するな」 忘れてた、こいつは悪意の塊だったのだ。 矢指野鷺。俺はこいつの名前をつけた母親にこそ、あるとするなら悪意が込もっていると思う
。例えばこの子は習字で名前が書けないように、だとか。鷺なんて書きづらいにも程がある。
まあ失礼極まりないし、何せ母親を嫌っているこいつのことだから、言った瞬間俺が矢指を肯
定していると思い違いをして、水を得た魚のように母親の鬱憤を吐き出すのだろうから口には
出さない。有り得ないしとんだ副産物だが、しかし異性の反抗期の仕組みはわからんな。 「ところでひでひでは今朝の新聞受けを覗いたかい?まだなら是非確認することをお勧めする
よ。面白いものが入ってるぜ」 「へぇ、どんな?」 もしやと思う。白い皿と並んだ白い封書がフラッシュバック。 「気になって無粋と知りながら余所の投函箱をも覗かせてもらったけどね、およそ僕が住んで
る地区の全てにそれが入っていたよ」 お前個人情報保護法を踏みにじってるな。ていうか全部確認したのかよ。どんだけ早起きなん
だ。 「なんとなんと、悪の秘密結社からの勧誘だ。不幸の手紙か爆弾だったら恐慌状態になっただ
ろう未来を予測すると、些かなんとなく華がない気もしなくもないけどね」 不幸の手紙と爆弾を同平行に並べるな。やっぱりこいつは悪意の塊だ。 「まあ、N町に隣接する三つの町のみの配布のようだったから正規の新聞社ではないことは知
れるな、うん」 「は?全部確認って…」 「突然午前二時頃に目が覚めてね。僕に届いた封書を見た瞬間から僕はN町D町A町K町に住
む住民と少しN町から離れた住民の全ての投函箱を隈無く確認して回ったよ。まあ、いつも通
り学校には一番乗りだったけど。、にしたところであんなに早くに起きるとは、ついに僕の第
六感が目覚めたのかもしれない」 「寝ろ。お前は疲れてんだ。だからわけのわからない理屈が言えるんだ。さっさと寝てしまえ」 「ふふ、ご忠告痛み入るよ。じゃあ僕は次体育だから…」 悪戯っぽい笑みと肩まで延びた髪が消える。階下を見ると平然とグラウンドへ歩く奴の後ろ姿
が見えた。まあ、目端をかい摘むと窓の外から話しかけていた矢指が順当通り窓から戻ったと
いうところだろう。近くに背の高い木があるし(それでも一般人は登るのを勧めない)、やれ
ばできるのだけれど。 教室の皆々は悉皆静まりかえっていた。鮫が獲物を食らう刹那のような緊迫のあるざわめきが
静かに広がる。心の準備もなしにあんな大道芸を見せ付けられた後なものだから気持ちはわか
らなくもない。俺は既に矢指野鷺の破茶目茶振りについて否定するのを諦めたため、長々とた
め息を吐いて早く教諭が来ないものかと物思いに耽った。 さて、これからどうしよう。

***

ごめ…ここまでが限界orz 設定活かしきれてない感でいっぱいいっぱいだよ。
実在の有権会社さんがあったらごめんなさい。
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