柵強固、世界虚弱
ゾンゼロ
志萬と花房とか色んな人。全員わかったらお友達になってください。(ウザッ
序章的なもの
志萬と花房とか色んな人。全員わかったらお友達になってください。(ウザッ
序章的なもの
自分の吐息のあまりの煩わしさに、網にかかった魚のように全身の筋肉を強張ら せて跳ね起きた。肩を揺らして呼気を吐く度、ざらざらというノイズが走る。 手首にかかる赤茶けた傷。ところどころに黒ずんだ血の結晶が浮かんでいる。 『てめぇそれで同情でも誘ってるわけ?志萬家の当主ともあろう者が、なっさけ ねぇ』 違う。そんなつもりはない。 ただ脈々と生温い肌の下を流れるこの血が、 もしも自分が普通の人間だったならば、 『わぁそれ痛そう!慰めてやるよ志萬!』 違う。違う。哀れみが欲しかったわけじゃない。 ただ脈々と生温い肌の下を流れるこの血が、 『志萬くんはさァ、僕らにお涙頂戴の戯作でも聞かせたいの?ならお門違いも良 いところだよ』 違う。違う、違う。同情心が欲しかったわけじゃないのに。 この血が、この血が悪いのに。 『のう童。ならば死ぬ前に三途の川でも泳いでみぬか?』 お 前 は 誰 だ ! 恥も外聞も問わず叫びそうになった。慌てて指を口に突っ込み、虚しい慟哭をや り過ごす。 「大丈夫ですか?」 「はな、ぶさ…」 「お気を付けて下さいませ。人間は、よっぽど我々よりも弱いのですから」 「そないなもん、疾うに百も承知や…」 理性では。 花房はにこ、と笑って、それは重畳と応えた。 嗚呼夜はまだ長い。ざらざらノイズが走る。
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